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コラム

人生におけるキャリアとは

みなさんは、『キャリア』ということばに、どんなイメージをお持ちでしょうか? 『キャリア』は仕事や職業のイメージが強いですが、実はそれだけではありません。
アメリカの経営学者、キャリアの研究者であるドナルド・E・スーパーは、「キャリアはある年齢や場面における、職業を含むさまざまな役割の組み合わせである」と述べています。そして、人がその一生を通じて演じる主な役割として、子供、学生、余暇人、市民、労働者、家庭人をあげています。この概念のもとライフ・スパン(発達段階)とライフ・スペース(人生の役割)の組み合わせを虹になぞって表したものを「ライフ・キャリア・レインボー」として示しています。

また、キャリアは外部から観察できる「外的キャリア」と外部から見えない「内的キャリア」に区分されることがあります。外的キャリアは、会社や地位、実績などがあてはまり、内的キャリアは、個人が仕事に対する動機づけ、価値観などがあてはまり、この内的キャリアの1つとして、アメリカの心理学者であるエドガー・シャインが唱えた「キャリア・アンカー」があります。アンカーには「船の錨」という意味があり、船の錨を下ろしている停泊中の船はどんな荒天でも船が流されることはありません。まるで船の錨を下ろしたかのように、決して揺るがない価値観や信念が内的キャリアの一つと考えられています。

他に『キャリア』には、仕事や職業の経験から獲得する「ワークキャリア」と人生を歩んでいくうえでさまざまな経験を積んで獲得する「ライフキャリア」もあります。このように『キャリア』という言葉は「単なる経歴や職歴だけにとどまらず、個人の生き方そのもの」を指していると言えます。キャリアの本質を捉えれば、よりよい人生を考えるきっかけとなります。どうか自分だけのかけがえのないキャリアを築いていってください。

<参考文献>
*一般社団法人日本産業カウンセラー協会 「キャリアコンサルタント その理論と実務」